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PROJECT#02 ビジネスファンディング

クレジットカードの売り上げデータを活用して日本初の資金調達サービスを構築せよ。

中小事業者の資金調達方法として注目を浴びる「ビジネスファンディング」。
将来債権の譲渡による資金提供を行う日本初のサービスだ。
新しい資金調達サービスのこれまでとこれからを追いかける。

PROFILE / MAYUKA YOSHIMURA
吉村 真由香
営業企画部
2011年入社

「まったく新しい資金調達サービスを開発する」。
右も左もわからないまま、ただ必死に動き続けた。

すぐに動かせる手持ちの現金をいかにしてつくるか。中小事業者にとって、資金繰りは常に大きな経営課題である。2010年の貸金業法の改定以降、クレディセゾンは新たな資金調達サービスの開発に着手していた。

「中小事業者のための、まったく新しい資金調達サービスの開発プロジェクトに関わってほしい」。のちに「ビジネスファンディング」というサービスとなるこのプロジェクトに吉村が関わることになったのは、2015年。入社以来、債権管理部で回収の仕事に携わっていた吉村が、経験のない新規事業の開発チームに配属されることになったのだった。「今思うと、笑ってしまうくらい余裕がなくて、大変だとか不安だとか感じる余裕すらなく、ただただ山積みの仕事に取り組むことに必死でした」。ビジネスファンディングの試験導入を目前に控えたタイミングでの異動。バタバタとした日々が始まった。

提携する決済代行会社とのリレーションシップがカギを握る。
全国をまわって勉強会開催の日々。

ビジネスファンディングは、「クレジットカードの"将来発生する債権"を買い取り、中小事業者に資金提供をする」日本初の資金提供サービスである。

大きな特徴は査定方法だ。企業の決算書を見て額を決定するこれまでの融資とは大きく異なっており、過去1年分以上のクレジットカードの売り上げデータから、将来発生する売り上げを予測。将来発生が見込まれる債権をクレディセゾンが買い取り、中小事業者に資金を提供するという仕組みだ。貸金業法外であるため、商品設計の自由度も高い。

このサービスは、各クレジットカード会社の加盟店精算をとりまとめている決済代行会社を介して中小事業者へアプローチするため、決済代行会社との連携強化が不可欠であった。吉村たちは全国の決済代行会社へ提案にまわり、商品知識を深めるための勉強会を開催するなど、このミッションに取り組む。コミュニケーションを密に図る機会を設け、提携先の意識の引き上げに努めた。商品訴求は、決済代行会社側の協力姿勢が非常に重要であった。

吉村は全国を走りまわりながら、ビジネスファンディングの試験導入の日を迎えることとなった。

前例がないサービスゆえの難しさ。
徹底的な意見交換をもとに改善を続けた。

しかしリリース直後、2ヵ月ほどはダイレクトメールをはじめ、積極的にサービスの周知を行ってもまったく申込がない期間が続く。訴求媒体の見直しやキャンペーンを実施しても抜本的な解決にはつながらず、思うように数字が伸びていかなかった。

何が足りないのだろう――。

"お客様の立場に立って考える"ということはやってきたつもりだった。しかし、本当の意味でのお客様目線を理解することの難しさを、吉村は身をもって知ったのだった。

「商品開発は、私がこれまで携わっていた業務とはまったく異なります。何をどうすればいいのかさえわからない状況で、課題の洗い出しをして解決策を見つけなければなりません。圧倒的に経験が不足している私がすべきことは、まずは周りの意見を聞いてまわることでした」。実際にお客様と一番近いところで仕事をしているのは、お客様からの問い合わせ対応をしているメンバーたちだ。吉村は彼らとミーティングする機会を定期的に設けることにした。どうしたら申込件数が増えるのか、実際のお客様の声にはどのようなものが多いのか、徹底的な意見交換を繰り返す。一歩一歩、丁寧に原因を探るなかで、主に大きな要因が二点浮かびあがった。

一点目の要因は、「将来債権譲渡」という特徴が、お客様である中小事業者になじみがないということだった。貸金業法外の商品であるため、「融資」や「支払」といった法に触れる用語を用いることができないという制約もあり、商品メリットが中小事業者に伝わりにくかった。もう一点は、そもそも商品自体がお客様目線に立ち、真に便利で利用しやすいものになっていない、ということ。商品設計自体の見直しを実施し、申込から契約までWeb上で簡単に完結させる必要性を感じた。

商品訴求媒体としてマンガを活用する案と、クラウド上で契約書締結ができるクラウドサインの導入案が提示された。微調整を繰り返しながら実行していくなかで、だんだんと効果をあげていき、「ビジネスファンディング」の試験導入から2年が経過する頃には、債権の買取総額が5億円に達するようになった。

「中小事業者の資金調達を支えたい」。
クレディセゾンができることはまだまだある。

ビジネスファンディングというサービスへの関心は、社内外問わずとても高い。中小事業者からは、必要な時にすぐに資金調達ができることへの満足の声が寄せられ、提携している決済代行会社からも中小事業者へのサービス拡充につながっているという評価を受けた。クレディセゾン社内でも、全社表彰式でイノベーター賞(※)を受賞。社内外の認知度は日増しに高まった。提携先の紹介や事業提案が自然と舞い込むようになっていった。

吉村はビジネスファンディングのこれからに、より一層の期待を寄せる。「今まではこのビジネスファンディングという商品をいかに拡大するかを日々考え、取り組んできました。中小事業者にとってキャッシュフローの改善や資金調達は企業経営にとって常に存在するニーズで、それを解決する手段としての決済後払いや売掛金の買い取りのニーズは今後も拡大していくことが予測されます。一方で、今後は企業や個人事業主の決算情報や取引データ、途上管理データを一元化していくという課題があります。法人与信の新たな手法を確立し、本商品だけではなく当社の他の法人商材の与信に活用できるような土台をつくっていきたいと思っています」。

※イノベーター賞…新規事業、新サービスやスキーム構築など、新しい価値を生み出し、世の中にインパクトを与えた案件を表彰する賞。