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クレディセゾン×オムニバス

株式会社クレディセゾン
ネット事業部長(兼)
デジタルマーケティング部長
株式会社セゾンベンチャーズ 取締役
磯部 泰之
株式会社オムニバス
代表取締役 COO
矢野 茂樹

買い物体験をより楽しく、より便利にすることを目指し、カード会社のビッグデータを活用したマーケティングソリューションをつくりあげる。

独立系カード会社のクレディセゾンと、
デジタル広告の効果的な企画・配信・運用を行うアドテクノロジーの企業・オムニバス。
それぞれの視点からこれまでを振り返り、そして今後の展開を語る。

BEGINNING

まったく新しいリテールテクノロジーの世界へ本気で乗り出すカード会社がいた。

各社が持っていた目標・課題とは何だったのでしょうか。
磯部
カードビジネスを、IoTやAIなどの新しいテクノロジーを活用し、新たな付加価値を提供していく。それがネット事業部のメインミッションです。そのなかの一例として、カード決済データを活用し、提携している小売・加盟店の各店舗での消費を楽しく、お得なものにすることなどがあります。これを実現するために「セゾンDMP(Data Management Platform)」を構築しました。ここには、約1,400万人のクレディセゾンのネット会員の属性、カードやネットサービスの利用情報などがリアルタイムで蓄積されます。このビッグデータをアドテクノロジー(※)で活用し、日本の消費を盛りあげていきたいと考えています。
(※)広告主がインターネット上で出したい場所や人に広告を出すための、広告配信に関連するシステムのこと。
矢野
オムニバスはアドテクの世界で10年やってきました。業界では老舗と言えるでしょう。そんな我々が数年前から感じていたのは、消費者が、Web広告を「うっとうしい」と感じ始めている…ということ。「うっとうしい」のは、消費者のニーズに無関係な広告が表示されるからです。言い換えれば、ニーズに合わせた広告を出せれば、「自分は気づいていなかったが、これは楽しそうだ」という反応が得られ、消費行動につなげられるのです。あくまでやり方の問題であり、データを使えばできること。我々はそう捉えていました。

ENCOUNTER

どのようにして、両社は出会ったのでしょうか。
磯部
私は普段から、いろんな企業や流行の最先端の情報を自分で集めたいと思い、毎日さまざまなベンチャー企業の方と交流しているのですが、そんななかでオムニバスさんと出会い、一度食事をご一緒したんですよね。
矢野
そうですね。2~3年ほど前に。
磯部
データをアドテクの世界で活用するため、個人的に勉強しましたし、事業部内でも実験的にテスト運用をしていました。しかし本格的にやろうとすると、社内のリソースではどうしても足りません。私は有望なベンチャー企業への投資・協業を行うセゾン・ベンチャーズの取締役も兼任していますので、そのネットワークを活かし、改めてオムニバスさんとじっくり話をする機会を設けたのです。
矢野
その頃、Webサイトやアプリケーションのサービスに加え、データ運用型の広告機能も備えたメガプラットフォーマー(※)が台頭してきており、多くの企業がそこへ流れていました。
(※)情報やサービスを提供するWebサイトやアプリケーションなどのメディアを所有・運営している事業者のなかで、事業規模の大きい事業者のこと。
磯部
広告を出す企業としては、Web広告の出稿とアドテクをそれぞれ異なる企業へ依頼するより、そのプラットフォームでWeb広告を出すのなら、データ運用も一緒に依頼できたほうがスムーズですし、楽ですよね。
矢野
そうです。我々としては、イチからメガプラットフォーマーを目指すのは難しい。とすれば、より適切な消費者のターゲティングを武器にしたいところですが、それには元となるデータが必要です。そう考えていた時に、クレディセゾンさんから声をかけられました。約3,700万人ものリアルの会員情報、そして約1,400万人のネット上での行動履歴といった非常に競争力があるデータを保有した企業が、アドテクの世界で新規事業を考えている。これは面白いことになりそうだ、と直感しました。

EVALUATION

消費者のキャラクターまで掴める。それが次の新しい一手となる。

お互いのどんな点に魅力を感じましたか?
磯部
オムニバスさんは、トレーディングデスクという運用チームを持っています。これは大きな強みだと感じました。
矢野
トレーディングデスクとは、いつ、どこに、誰に広告を出すかといったクリエイティブの設計や広告配信の設定、そしてその結果をレポートにまとめて分析を行うチームですね。
磯部
データがあっても、それらを運用するノウハウ・部隊がなければ宝の持ち腐れになります。その点において、オムニバスさんの10年という実績は大きい。過去10年、パソコンからスマホへとシフトする時期にあって、その変化を直接感じ、時代から求められるトレンドを経験してきたことは、大きな強みです。
矢野
ありがとうございます。我々オムニバスにとって、クレディセゾンさんが持つデータの強みは、消費行動がわかるということ。他社が持つデータでは「どのサイトを見たか」「男性か女性か」という限られた情報です。一方セゾンDMPでは、「どんな人が、いつ、どこで、いくら買ったのか」といった具体的な行動まで明確に掴める。実は消費行動には、その人のキャラクターが色濃く出ます。そこまで把握できるとターゲティングがしやすくなり、説得力のある広告アプローチを提案できます。これは大きいですね。

TIE UP

両社の提携について、詳しく教えてください。
磯部
オムニバスさんとは、単なる業務提携ではなく、100%出資という資本関係を結んだのですが、本気で両社のシナジー効果を出したかったし、それができると考えたからです。お互いにとっての魅力は前述のとおり。ですが、「すごいすごい」と一目ぼれして衝動的に組んでも、決していい結果にはなりません。
矢野
そうですね。ですから磯部さんと私は何度も話し合いましたし、最終的には経営者同士のミーティングを設けて、「デジタル領域からリテールを盛りあげ、消費を活性化させる」というビジョンを共有しました。
磯部
すごく丁寧に進めましたよね。
矢野
オムニバスとしても、中途半端な提携では面白い事業が生みだせないと感じていました。少額出資を受け、セゾンDMPのなかの限られたデータを使わせてもらっても、アドテクでできる事業は限られてしまうのです。我々社員が一丸となり、世の中がより便利になるようなソリューションを提供する。その環境を整える意味では、100%出資という関係を結べて正解でした。
磯部
提携を発表したのは2017年4月。本格的に話し合いを始めてから1年とじっくり時間をかけたので、この提携に関してお互いの想いや目指す方向性などのズレはまったくありません。

COLLABORATION

お互いの強みを活かし合うイコール・パートナーになりたい。

現在、両社で進めている事業があれば教えてください。
磯部
新規事業としてセゾンDMPを活用した広告領域への展開を準備中です。
矢野
クレディセゾンさんのデータを、我々の新しい武器として活用させてもらい、新しい広告商材を展開していく事業です。
磯部
オムニバスさんのアドテクが活躍する場ですね。
矢野
実はすでに某商品のキャンペーンで、消費者にアプローチできる新しい企画やサービスの切り口をメーカーに提案するため、セゾンDMPのデータを使って分析したのです。すると、「この商品を見ている人は、実はこういう人」という、メーカー側では気づかないターゲットを発見。我々ならではの、最適な企画とアプローチを提案できました。このようにして広告だけでなく、商品やサービスの新しい価値創出の提案につなげられるのは、リテールとつながりが深いクレディセゾンさんだからこそです。
磯部
最終的にはカード決済を促進して、日本のカード決済比率を他の先進国並みに変えていけたらと思います。個人消費300兆円中、カード決済は2割弱。半分以上が現金による決済です。そんな問題意識を持つ我々が、率先して決済のデジタル化、キャッシュレス化を促進したい。そのためにはオムニバスさんのアドテクと、我々のFintechの融合が不可欠なのです。

SFUTURE

今後、どのような関係を築いていきたいですか?
矢野
カード会社で、本気で「アドテク領域に乗り出す」と宣言しているのは、クレディセゾンさんだけだと思います。だからこそスムーズに話を進めることができました。
磯部
それは、強い危機感の裏返しでもあります。常に新しいことにチャレンジし、変化していかないと、企業は30年続かない。成功する保証はどこにもないが、リスクをとらなければ成功もない――。クレディセゾンにはそういう気質がありますね。
矢野
我々も同様です。業界で10年続いてきた歴史の上に、あぐらをかくわけにはいきませんから。お互いのオフィスに、お互いの社員が当たり前のようにいて、仕事を進めていくなど、そうやって我々がもっと深く交流することで、新しい化学反応を生み出せるのではないでしょうか。
磯部
出資した・されたという次元を超え、同じ仲間として、今後も新しい事業を進めていきたいですね。クレディセゾンにはできないことが、オムニバスさんと組むことで、できるのですから。
  • アドテクとFintechにより革新的な買い物体験を創出していくために、オムニバスさんと我々クレディセゾンでこの可能性を追求し、現実のものにしなければならない。それが日本の個人消費を盛りあげるはずですから。
  • 磯部さんも私も、バリバリの文系学部卒。システム関連の知識はゼロでしたが、ともに若い頃から「自分で事業にチャレンジしたい」と考えていました。この出会いは大切にしたいし、人材交流も積極的に図りながら、新しい事業を一緒に進めていきたいですね。